読者の皆さまへ
本サイトは、宗教団体「エホバの証人」をめぐる諸問題について、客観的で検証可能な情報を整理し、記録し、必要とする人が参照できる形で公開していくことを目的として運営しています。
戦後日本では、信教の自由が広く保障され、多様な信仰が共存する社会が形成されてきました。そのこと自体は、自由で開かれた社会にとって重要な基盤です。一方で、宗教団体と社会との関わり、信仰と家庭、信仰と医療、信仰と教育、信仰と子どもの権利といった問題については、十分に検証されないまま見過ごされてきた面もあります。
エホバの証人についても、輸血拒否をめぐる裁判や、宗教二世をめぐる近年の議論を通じて社会的関心が高まる場面はありました。しかし、報道や資料は時間の経過とともに散逸し、必要とする人が体系的に情報へアクセスすることは、今もなお容易ではありません。情報が存在していても、整理されず、記録されず、必要な人に届かなければ、社会的な検証も個人の理解も十分には進みません。
このような状況の中で、私たちが大きな手がかりとしてきたのが、村本治医師が中心となって運営されていた「エホバの証人情報センター」です。同サイトは、特定の宗教や信仰を一方的に攻撃するためのものではなく、教理、医療、家族、社会との関係などについて、客観的な情報を集め、読者自身が考えるための材料を提供するものでした。
私たち自身も、かつてエホバの証人として暮らし、その後に離脱した経験を持っています。離脱の過程では、自分の経験をどのように理解し、どのように言葉にすればよいのか分からず、長く模索する時間がありました。そのとき、村本医師が残された情報は、個人的な体験を社会的・歴史的な文脈の中で捉え直すための貴重な手がかりとなりました。
本サイトは、村本治医師が示された、客観的な情報を誠実に収集し、記録し、社会に開かれた形で提供するという姿勢を、現代において引き継ぐことを志しています。私たちが目指すのは、感情的な非難や断片的な体験談の集積ではなく、事実に基づき、出典を確認できる情報を整理し、後から検証できる形で残していくことです。
その取り組みの一環として、本サイトでは、村本治医師ご本人から正式な許可を得たうえで、過去の「エホバの証人情報センター」に掲載されていた資料の一部を、アーカイブとして再掲載していきます。再掲載にあたっては、当時の資料が作成・公開された時代背景を尊重するとともに、現在から見て内容が古くなっている可能性がある場合には、その点にも留意して扱います。
本サイトは、特定の宗教や信仰を攻撃・迫害することを目的とするものではありません。また、現役信者の方々の人格や尊厳を否定するものでもありません。信仰の自由は尊重されるべき重要な権利であり、個人が何を信じるかは、原則として本人の自由に委ねられるべきものです。
しかし同時に、宗教上の教えや団体内の慣行が、医療上の判断、家族関係、子どもの養育、教育環境、社会生活に深く関わる場合には、その影響について冷静に検証する必要があります。信教の自由を尊重することと、社会的影響を検証することは、対立するものではありません。むしろ、自由で開かれた社会であるからこそ、客観的な情報に基づく検討が必要であると考えています。
本サイトでは、国内外の報道、学術論文、判例、行政資料、医療倫理に関する文献、歴史資料、旧「エホバの証人情報センター」関連資料などを、可能な限り出典とともに整理していきます。読者が原資料にたどり着き、自ら確認し、自ら考えるための入口となることを目指します。
情報が閉ざされやすい領域では、一人ひとりが孤立しやすくなります。かつて私たち自身がそうであったように、疑問を抱いても、どこに情報を求めればよいのか分からない人がいます。家族、教育関係者、医療関係者、研究者、支援者の中にも、正確な情報を必要としている人がいます。
情報が時間に埋もれず、必要とする誰かの手に確かに届くように。
村本治医師の精神を受け継ぎ、事実の記録と検証を積み重ねる場として、本サイトを運営してまいります。
管理人メンバー
黒田官介
元・エホバの証人